高等教育学コースの公式HPの立ち上げと当ブログの今後について

こんにちは。院生のメディア係を担当しています、D3の岩田貴帆です。

院生を代表して重要なお知らせです。

 

2022年10月1日、「京都大学大学院教育学研究科高等教育学コース」の公式HPが公開されました!

 

highedu.educ.kyoto-u.ac.jp

 

高等教育学コースの授業・カリキュラム・先生方に関する情報に加えて、過去に修了された方の「修士論文・博士論文題目」「修了生の進路」も掲載されています。

特に高等教育学コースの受験を考えておられる方には特に有益な情報になると思いますので、是非、それらも含めて公式HPをご覧ください。

 

また、残念なお知らせとなりますが・・・

この公式HP立ち上げを機に、当ブログの今後の位置づけについて院生間で話し合ったところ、今後の更新は停止することとなりました。

院生の研究活動を発信する媒体を作り、発展させてきてくださった先輩方には感謝に堪えません。

 

そして、これまで当ブログをご覧いただいた方、本当にありがとうございました。

 

過去記事は残す予定です。

また、今後の状況次第では、改めて当ブログを再始動することもあろうかと思いますので、いわば「休眠状態」ということになります。

 

本件に関してお問い合わせの際には、takaho3.dstv★gmail.comにご連絡をお願いします。(★を@に変えてください)

 

ありがとうございました&今後とも「高等教育学コース」を宜しくお願い致します。

2022年度大学院入試説明会が開催されました

こんにちは,M2の岡田航平です。

 

だいぶ遅くなってしまい,事後報告となってしまいましたが,,,

6月25日に大学院入試説明会が開催されました。

 

大学院入試説明会は全体説明会+コース別説明会で構成されています。

高等教育学コースの説明会には,佐藤万知准教授に加えて,在籍院生として,D2の大野さん,M2の岡田が参加しました。

今年度の高等教育学コースの説明会は,入試までの流れについてざっくりと共有したのち,参加者の皆様の要望に合わせて,適宜,在籍院生や先生が意見交換を進めていくという形で実施されました。

参加者の皆様との意見交換では,

「筆記試験の対策はどのようにされましたか?」「社会人生活との両立はどれほど可能でしょうか?」

「他の講座と進学を悩んでいますが,このコースの強みは何ですか?」

など,ざっくばらんに議論が展開されました。

筆記試験対策について,少しだけ補足させていただくと,2年前に現D2の田中さんが筆記試験対策に有益な情報を動画として提供してくださっています(https://youtu.be/hlO-XS6cifk参照)。

 

さて,私自身,他大学から高等教育学コースへ進学しましたので,「どんな先生,どんな院生さんとやりとりするのだろう?」と少し緊張しながら入試説明会に参加したことを思い出しました。

そして,今,高等教育学コースの1人の大学院生として断言できること,それは「大学院生は皆オープンマインド!」ということです。

入試説明会は,終わってしまいましたが,もし何かありましたら,気軽にお声がけください!

 

では,また!

今学期の「水ゼミ」(高等教育学コース全体のゼミ)が終わりました

こんにちは。D3の岩田です。

 

本日、2022年度前期の「水ゼミ」が終わりました。

「水ゼミ」(すいぜみ)とは、高等教育学コースに所属する院生が、研究発表を行い、院生同士および教員陣からコメントをもらう授業です。

授業の正式名称は「高等教育開発論研究A」です。

 

指導教員以外の先生からも指導をいただける機会になりますので、高等教育学コースの特徴がよく表れているゼミといえると思います。

院生同士でも、お互いにどのような研究にいま取り組んでいるかを把握できるので、この水ゼミの時間以外でも、ことあるごとに「これって、●●さんの研究に関係あるんじゃない?」ということで情報交換がしやすくなります。

 

その他の授業も続々と前期が終わっていきますね。

僕も非常勤で担当させていただいている他大学の授業の期末試験の作成・採点などを控えています。

皆さま、よい夏をお迎えください!

 

 

 

田中孝平さん(松下研D2)の総説論文が『大学教育学会誌』に掲載されました!

年2回発行されている『大学教育学会誌』の最新号(2022年6月)に、田中孝平さん(松下研D2)の論文が掲載されました!

該当号の編集後記によると採択率は14.3%とのこと。厳しい査読をくぐり抜けての掲載となります。

しかも、めったに掲載されることのない【展望・総説論文】カテゴリという点でも素晴らしいですね。

 

タイトル:「高校・大学間における教育接続タイプの特徴」

 

本論文では、現在の高大接続(特に教育接続)タイプを類型化し、その詳細を述べたとのこと。高大接続が多様化する現状を整理する視角となることが目指されています。


現在オープンアクセスではありませんが、まずは学会の会員の方は冊子および会員HPより閲覧できます。

 

博論以外にも院生同士で共同研究を進めています

D2の田中孝平です。

今回は、院生同士の「共同研究」について書こうと思います。

 

共同研究のきっかけ

私は、D2の大野真理子さんと、M2の岡田航平くんと一緒に、これまで共同研究をすすめてきました。研究テーマについて、大野さんが「多面的・総合的評価(大学入学者選抜)」、岡田くんが「入学前教育」、田中が「高校の探究学習を通じた高大接続」というように、もともと三者三様の視点で「高大接続」について迫っていました。

 

そんな中、高校の探究学習の経験やそこで培われる能力を評価し、大学の学びとの接続(高大接続)を意図するような「探究学習評価型入試」というものが普及している事実を、新聞記事(https://www.asahi.com/edua/article/14393989)から田中が見つけました。また、それとほぼ同時期に、大正大学主催の「第6回 高大接続フォーラム どうなる大学入試!? どうする探究学習!?」に参加し、高校・大学・大学入試を貫徹するような高大接続研究の必要性を実感しました。

 

このようなきっかけから、田中より「探究学習評価型入試」について共同研究できないかを2人に提案し、共同研究を進めることにしました。

 

共同研究の流れ

共同研究の実施を決めてから、毎週特定の曜日に集まり、関連文献の講読やディスカッションを進めました。自分の研究とは直接関連しないような文献もありましたが、自身の研究の背景となる内容が多く、勉強になりました。そして、このような文献整理に加え、「探究学習評価型大学入試」に携わったことのある関係者にインタビューをしました。このようなインタビューも一人で行うインタビューとは違って、各自の専門性を生かしながら聞き取りができたと思っています。インタビューの結果をふまえて、2022年3月に開催された第28回大学教育研究フォーラムで「『探究学習評価型入試』が目指す高大接続の検討―大学における教育的取組との接続をふまえて―」として発表しました。

 

共同研究の醍醐味とポイント

大学院生は自分の博士論文(あるいは修士論文)に向けた研究に大変多くの時間を要します。しかし、院生同士の共同研究によって、自身の研究を違った視点で捉え直すことができるだけでなく、あまり読めていなかった文献に出会うことができることもあります。この点が共同研究の醍醐味といえるでしょう。

 

一方、共同研究にあまり多くの時間をかけすぎてしまうと、自分の研究が思うように進まないというような問題もあるでしょう。自分の研究とのバランスを考えながら、周りの院生と協働して何か一緒にできることないかを考え、視野を広げられる機会をもてるといいですね〜 そんなことを思いながら、私も次なる研究テーマを探していくことにします!

大学教育学会に参加してきました!

D2の大野真理子です。2022年6月4日(土)・5日(日)に開催された,大学教育学会・第44回大会(於:岡山理科大学)に参加してきました。コロナ禍で学会もオンライン開催が続いていたため,実に3年ぶりの対面実施です。

 

 

1日目午前:ラウンドテーブル

1日目の午前中は,ラウンドテーブルです。私は,「汎用的能力の育成と評価の可能性―ミネルヴァ・モデルを手がかりに―」に,報告者の一人として登壇しました。この企画では,松下佳代先生の授業「高等教育方法演習」で約3年間にわたって研究対象としてきたミネルヴァ大学について,受講生である院生たちが,正課活動,オンライン授業,準正課・正課外活動,教員の質保証といった複数の切り口から報告をしました。いわば,ここ数年の研究成果の集大成です。参加者からの質問を通して報告者も新しい気づきを得るなど,ディスカッションも大いに盛り上がりました。終了後も参加者との意見交換は続き,発表前後の時間を活用できるのは対面の学会ならでは…と,対面実施の意義を実感しました。

 

1日目午後:基調講演・シンポジウム

1日目の午後は基調講演とシンポジウムです。テーマは大学教育におけるDXで,基調講演では落合陽一氏がオンラインで登壇しました。今回の大会は対面を基本とするものでしたが,この基調講演とシンポジウムのみオンラインでも配信され,会場に来られない参加者も視聴できました。私はというと…会場の座席が埋まりつつあったので,オンラインでの同時配信を活かし,学内の風通しの良い場所で院生や先輩たちと一緒にPCを広げて視聴しました。こうした柔軟な選択ができるのは,オンラインの良さですね。1日目だけで,対面とオンラインのいいとこ取りができました。

 

1日目の最後は,事業報告会です。大半の人がそうであるように,私も普段であればここで帰ってしまうところなのですが,今回は参加必須です。なぜなら,先輩であるD3の岩田貴帆さんの授賞式があるからです。岩田さんは学会誌に掲載された論文が評価され,「大学教育学会奨励賞」を受賞しました。おめでとうございます!ほかにも,コースの修了生である谷美奈さんの著書が受賞するなど,喜ばしい出来事が続きました。先輩たちが活躍する姿に触発され,私も頑張らねば…と奮起しました。

 

2日目:自由研究発表

2日目は,自由研究発表です。午前・午後あわせて14の部会があり,大学教育学会が扱うテーマの幅広さが窺えます。午前はD3の岩田さん,午後はD2の田中孝平さん,M2の岡田航平さんが発表する部会に行きました。関係者がいるからというわけではなく,関心のあるテーマの部会を選んだら研究テーマが近い院生が発表する部会だった,という感じです。今回,私自身は個人での研究発表はしていませんが,部会の前後を利用してお話してみたかった先生と名刺交換をしたり,久しぶりにお会いした先生にご挨拶をしたりと,充実した時間を過ごすことができました。そして,みなさんの発表を聞きながら,私も発表すればよかったな…と思うなど。

このように大学教育学会は,高等教育学コースの先生や院生が多く所属し,研究成果を発表する場となっています。しかし,発表の場はここだけではありません。私もそうであるように,院生たちは自分の研究テーマに合わせて様々な学会・研究会等で発表をしています。今後どこかでお会いすることがあれば,ぜひ気軽にお声がけください!

 

 

今年度の院生勉強会の紹介

こんにちは。院生のメディア担当の岩田です。

今日は、毎週院生同士で開催している「院生勉強会」について、今年度の取りまとめ担当者である袁通衢さんから紹介してもらいます。

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院生勉強会担当の袁通衢(田口研究室所属D2)です。よろしくお願いします。

今年度の院生勉強会は、高等教育学コースの院生たちの中には卒業後、教育機関で教鞭をとられる方が多いことを考慮し、実際に教壇に立って授業をするといった教育に携わる仕事に就ける「即戦力」を身につけることを目的として開催しています。

そのため、授業設計、学習設計、教材設計に関するマニュアル(下記使用文献参照)について、授業を担当する際に必要な基本知識とスキル、ならびにコース/授業などをデザインする方法を習得するねらいで進めています。

勉強会の実施方法については、以下のとおりです。

  • 勉強会は月に1回の対面討論の形で実施し、各回の学習内容についてのお互いの意見交換によって得られた深い理解や新たな知見を重視します。
  • 各回の担当者は、各自の担当内容について、今後自分の授業設計に使えそうな「デザインポイント」+参加者メンバーとぜひ議論したい「ディスカッションポイント」をまとめたレジュメなどを事前に作成し、Slackに投稿してきます。
  • 各回の参加者は、毎回の学習内容を事前に予習し、勉強会が始まる前にSlackに質問・感想・コメント・論点などを投稿してきます。
  • 各回の担当者によるレジュメの解説が終わった後、自由にお互いの意見などについてディスカッションします。

以上の目的や方法に沿って、初回の勉強会では、インストラクショナル・デザイン(ID)理論のシステマチックなアプローチであるADDIEモデルについて活発な議論を行いました。参加者全員で互いの論点や意見について、賛成した部分と疑問を持った部分を分かち合い、IDの主体やADDIEモデルの柔軟性といった重要な論点に対する深い理解ができました。それと同時に、参加者全員のIDへの興味関心も高まり、その後の勉強会に向けて良いスタートが切れました。

 

使用文献:

稲垣忠,鈴木克明(2015)『授業設計マニュアルVer.2:教師のためのインストラクショナルデザイン北大路書房

鈴木克明,美馬のゆり(2018)『学習設計マニュアル: 「おとな」になるためのインストラクショナルデザイン北大路書房

鈴木克明(2002)『教材設計マニュアル: 独学を支援するために』北大路書房