第37回大学教育学会@長崎大学


みなさん、こんにちは。
京都大学大学院教育学研究科高等教育開発論講座で学ぶ院生のブログへようこそ。

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今回の更新内容ですが、先日、長崎大学で開催された第37回大学教育学会について
話しをさせていただきます。

高等教育開発論講座の院生たちは修士課程の時から学会へ見学に行ったりしていますので、
私も大学教育学会に参加することが今回で3回目になりました。
ですが今回は初めて発表をするということで、相当緊張していました。

なので、感想としては…
・ 緊張
・ 緊張
・ 緊張
・ やっぱり緊張…
といった感じでした。

空港で飛行機を待っている間でも、スタバで発表用のスライドを修正しながら、
セリフを考えて、頭の中で発表の練習をしていました。
何かやらないとますます緊張してしまいそうでしたので、
真面目そうに事前の練習をしていただけです。(苦笑)


今回の発表は
「内容理解を重視する日本語コミュニケーション能力の養成:
中国の大学の「精読」科目で実施したジグソー法による検討」
というタイトルでした。
実践のフィールドは中国の大学の日本語科でしたので、
それに関する説明を導入として発表に入ったのです。
発表の目的は、内容理解を重視する日本語コミュニケーション能力の育成を目指し、
「精読」の授業を新たにデザインし、ジグソー法を取り入れた上で、
その有効性を検討するところにあります。

発表の流れについて簡単にまとめると、

・ 中国の大学の「精読」科目がどのように位置づけされているかについて説明した上、現行の「精読」科目における問題点を提示しながら、今回の発表の問題意識について述べました。
・ 日本語学習者のコミュニケーション能力の養成が目標となったので、Canale&Swein(1980)の先行研究に基づき、言語学分野で知られているコミュニケーション能力の要素を取り上げながら、本発表でキーワードとなる「内容理解を重視する日本語コミュニケーション能力」についても改めて説明しました。
・ 先行研究や概念に関する説明が終わった後、実験授業のデザインと実施に焦点を当て紹介し、その上、結果も報告したのです。
・ 考察としては、実験授業から得たジグソー法の有効性から、「内容理解を重視する日本語コミュニケーション能力」を養成する可能性があるかどうか、一回に限った授業実践から普遍性をどう見るか、ジグソー法の導入に遭遇した問題点について今後どう改善していくか、などについて話しました。

初めての学会発表なので、未熟で足りないところがたくさんあると思いますが、
用意した内容を堂々と話したと思います。

質疑応答の際、
「ジグソー法のような、アクティブラーニング型の授業って、
手間がかかりすぎだと思いますが、どう思いますか」
と聞かれました。
確かに、ジグソー法を使って授業を進めていくと、
確かに授業活動自体が時間も手間もかかりますし、
学生に考えさせるために時間をあげないといけないので、
相当時間かかると私も思いますが、
授業デザインの全体から考えれば、そうでもないと思います。
例えば、今回の実験授業では、1課ごとに授業デザインを考えたので、
ジグソー法の授業にかかった時間は普段の授業と同じぐらいの時間でした。
しかも、学生が内容に対して普段よりよく、
わかりやすく理解できていたというフィードバックが得られていました。


■学会の後のリフレクション

① コメントより質問を大事にすること
自分の発表で聞かれた質問は研究の改善や今後の研究につながるかもしれないので、
すごく勉強になるはずです。
また、他人の発表を聞く時も常に質問を聞こうという勢いでいるほうが良いと思います。
質問力も研究者としてのとても重要な能力ですから。

② 自分の研究に関連する分野では、今、どんな研究が行われているかを知っておくこと
聞いた研究発表が自分の研究と何らかの形で関連づけができるか、
自分の研究にとって何かがヒントになるか、
などの質問を自分に聞く意識を持つ必要があると思います。

③ 勇気を持って話をかけること
自由発表を聞いた後、その先生と話したい!あの先生に質問したい!などの場合、
勇気を持って積極的に話しかける方が、後で後悔するよりましだと思います。
大学の先生たちは意外に優しいですねっていうのはいつも感じています!(笑)

④ マナーを守ること
特に発表がある場合、事前に座長の先生に挨拶することと、
発表が終わって、質問をしていただいた先生にお礼を言うこと、
両方きちんとやってください。

⑤ 学会の参加に兼ねて、観光や美味しいものを食べること
今回も長崎のちゃんぽんや角煮まんじゅうに大変お世話になりました。(笑)



空港で学会の看板を出していたことはすごく印象深かったです!