2020年度の院生勉強会の活動報告〜博士論文の自己評価・ピア評価用ルーブリックを公開します〜

M2の田中です。

 

 今回の記事では、2020年度の院生の自主的な勉強会(院生勉強会)で取り組んできた活動について報告します。今年度は、私が勉強会の取りまとめをしていましたので、参加者を代表して報告します。

 

 2020年度の院生勉強会には、D3の溝口さん、D2の澁川さん、杉山さん、D1の岩田さんの4名の先輩方が参加してくださいました。

 

 2020年度の院生勉強会は、基本的に毎週水曜日の13:00〜14:30に行い、「博士論文の自己評価・ピア評価用ルーブリックの提案」に向けて活動してきました。このようなテーマを選択したきっかけは、博士論文の研究進捗を発表するような場面において、「ルーブリックがあったら、もっと効果的に研究が進むのでは?」といった参加者の素朴な気持ちからです。

 

 前期の活動では、主に「ルーブリックとはなにか」「博士論文の構成要素にはどのようなものがあるか」などのテーマについて、担当を割り振り、文献講読を行い、それに対して議論を繰り返してきました。

 

 後期の活動では、前期に学んだ知識をふまえながら、実際に「博士論文の自己評価・ピア評価用ルーブリック」を作成しました。そして、作成に関わっていない院生にも協力してもらい、実際に私たちが作成したルーブリックを使って、私たちの研究進捗発表について評価してもらいました。さらに、ルーブリック自体にも意見をもらいました。

 

 すると、「観点が多すぎる」「観点をもっと統合したほうがいい」など、様々な建設的な意見をいただきました。ピア評価の結果と院生からのコメントをふまえつつ、院生自身が、そして院生どうしで活用しやすいルーブリックの作成を目指してきました。

 

 そして、このような試行評価・改善を3回にわたって行い、私たちのなかでようやく納得のいくルーブリックを完成することができました。なので、このブログにルーブリックを公開したいと思います!

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Excel版のダウンロードはこちらからできます。

www.dropbox.com

 

注意事項

 自由に改変してご使用ください。ただし,改変したルーブリックをその他の学会で発表したり,不特定多数へ再配布する場合は,事前にご連絡(takaho3.dstv[at]gmail.com 発表代表者・岩田貴帆)ください。また,その際は出典として下記要旨を明記するようにしてください。

岩田貴帆, 溝口侑, 澁川幸加, 杉山芳生 & 田中孝平 (2021) 大学院生による博士論文の自己評価・ピア評価用ルーブリックの提案, 大学教育学会第43回大会発表要旨集録, pp.84-85

 

  このルーブリックが、院生の皆さんの研究進捗の管理やディスカッションのツールとして役立つと嬉しいです。なお、このルーブリックは社会科学系の大学院生を想定して作成しています。

 

 では、今回はこのあたりで失礼します。

院生の近況報告 ~D1岩田貴帆より~

D1の岩田貴帆です。
今回の記事は、近況報告として、発表に関わった研究会について書きます。
 
先日9/25(金)、京都大学の「教養教育実践研究会」(共同運営:人間・環境学研究科、国際高等教育院)がオンラインで開催されました。
京大における教養教育を担当している先生方が授業実践を報告され、情報共有と意見交換を通して、教育改善を図ろうという会です。
 
社会学Ⅰ・Ⅱ」(ご担当:柴田悠先生)の授業において、僕はTAを務めており、評価練習やピアレビューといった学習活動を考案しています。
その関係で、9/25の「教養教育実践研究会」でも、発表の一部に関わらせていただきました。(→柴田悠先生のresearchmap
 
僕自身の研究を踏まえた内容を、論文だけでなく、こういった会を通して多くの先生にお伝えできるのは、僕のような実践研究を進める院生にとって大変ありがたい機会です
 
 
発表した内容をかいつまむとだいたい以下のようになります。
 
評価練習とは、教員が用意したサンプルレポートを、学生が評価基準を使って評価者の立場を経験した後に教員が正しい評価を解説する学習活動。
 
ピアレビューとは、レポートの草稿を持参して他の学生と評価しあう学習活動。事前に行った自己評価と比較して話し合う「協議ワーク」を取り入れています。
→論文にもなっています 開発:岩田・田口(2020) 効果検証:岩田(2020)
 
論文では紙幅の関係で掲載できなかった受講生の感想を、この「研究会」では紹介することができました。
 
・自分のレポート、他の人のレポートについて意見を言い合うことで新たな視点が発見できて面白かったです。
・ピアの評価をすることで、自分のレポートに足りていなかった部分に気づくことができた。また自分では説明できたつもりでも指摘されると理論に穴があることに気づき非常に意味のある活動だった。
・楽しかったです!他の人から見ると、ああ、こう見えるんだ!と思った。今日のワークを通じて改善点がわかってきたので、期日までに構想を練り直したい。
 
ほとんどがポジティブな感想で、「協議ワークを取り入れたピアレビューは実施する価値のある学習活動だな」という想いを強くしています。
 
中には、
 
・評価基準を理解していなくて、評価がむずかしかった。
 
という感想もあり、事前に行う評価練習のやり方をさらに工夫する必要があることが伺えます。
 
 
また、オンラインでの実施についても時間の許す限り報告しました(柴田先生に話していただきました)。
 
新型コロナ対策で、「社会学」の授業も2020年度は前期・後期ともにLMSやZoomで実施しています。
僕としても対面で実施することを前提に研究計画を立てていましたので、計画の変更を余儀なくされました。
 
とはいえ、オンラインで評価練習や「協議ワークを取り入れたピアレビュー」を効果的に実施できるか・・・? というのは、研究上も重要なところですので、今年度はそれもテーマの1つとして研究を進めています。
それを踏まえ、今回の「教養教育実践研究会」でも、オンラインでの評価練習・ピアレビューについても発表しました。
 
より詳しい分析結果は、論文にもまとめました(現在投稿中・査読結果待ち)。
論文が掲載されたらまたご報告したいと思います。
 
 
京大では後期もほとんどの授業がオンラインです。大変ではあるものの、受講者側とTA側の両方の立場からオンライン授業について探究できるのは大学院生の今だからこそですね。
後期も楽しむ心を忘れずに頑張っていきます。
 

院生インタビュー ~M2大野真理子編~

こんにちは,管理人の溝口です。

 

さて院生インタビューもついにラスト。

今回はM2の大野さんです。

 

M1を休職して過ごし,M2からフルタイムの職で働いている経験を踏まえた院生生活の過ごし方,これから大学院を目指そうと思う人へのメッセージは一見の価値ありだと思います。

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また次の企画を思いついたら更新します。

では。

院生インタビュー ~M1森山 寛編~

こんにちは,管理人の溝口です。

もう8月ですね,今年も半分が過ぎてしまったのかと思うといろいろ焦ります。

 

 

さて公開が遅くなりましたが,院生インタビュー第4弾です。

今回は新入生森山さんのインタビューになります。

森山さんは研究者養成ではなく,教育実践指導者養成で入学されていますので,これから大学院に進学を考えている社会人の方にとっては貴重なアドバイスになると思います。

ぜひご覧ください。

 

さて,院生インタビューもあと1人分の編集を残すところとなりました。早めに公開できるように頑張ります。

院生インタビュー ~M2田中孝平編~

院生インタビュー第3弾です。

 

今回は修士課程2回生の田中さんのインタビューです。

 

特に,院試に向けての勉強や準備については,大学からストレートで研究者養成コースを目指す人にとっていいアドバイスをしてくれています。ぜひ参考になればと思います。

 

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それではまた次回もお楽しみに。

院生インタビュー ~D1岩田貴帆編~

みなさん,こんにちはD3の溝口です。

 

今回は,院生インタビュー第2弾です。
(連日で編集するのしんど・・・)

 

さて今回は博士後期課程1回生の岩田貴帆さんです。

なかなか熱い思いを語ってくれたので本編が約24分,おまけの質問コーナーが約4分の長編になりました。

 

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こういう動画を見て,これから研究者を目指そうかなと思う中学生,高校生が増えると嬉しいですね。

院生インタビュー ~D2澁川幸加編~

みなさま,こんにちは,ブログ管理人の溝口です。

 

京都は久しぶりの猛暑でうだるような暑さです。もう夕方だというのに全然暑さが衰えません。

 

さて6月は更新も停滞気味でしたが7月の新企画をスタートしたいと思います。教育学研究科の院入試の出願も1か月後に迫ってきたということで,受験生応援企画と題して院生にインタビューをしてみました。

?大学院に進学した動機は?

?大学院生ってどんな生活しているの?

?入試のためにどんな勉強したの? 

とか普段あまり聞くことのないことを院生に聞いてみました。

 

今年受験を考えている人にも,また将来大学院に進学したいと考えているひとにも有益な情報を発信できればなと思っています。

 

第1弾は博士後期課程2回生の澁川幸加さんにインタビューを行いました。

彼女の性格が出ているというか,すばらしいスライドを準備してくれて本当に恐縮です。全体で24分程度と長いインタビューではありますがぜひ最後までみてくれると嬉しいです。

 

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まだまだほかの院生のインタビューも続きますので,お楽しみに!