院生の近況報告 ~D1岩田貴帆より~

D1の岩田貴帆です。
今回の記事は、近況報告として、発表に関わった研究会について書きます。
 
先日9/25(金)、京都大学の「教養教育実践研究会」(共同運営:人間・環境学研究科、国際高等教育院)がオンラインで開催されました。
京大における教養教育を担当している先生方が授業実践を報告され、情報共有と意見交換を通して、教育改善を図ろうという会です。
 
社会学Ⅰ・Ⅱ」(ご担当:柴田悠先生)の授業において、僕はTAを務めており、評価練習やピアレビューといった学習活動を考案しています。
その関係で、9/25の「教養教育実践研究会」でも、発表の一部に関わらせていただきました。(→柴田悠先生のresearchmap
 
僕自身の研究を踏まえた内容を、論文だけでなく、こういった会を通して多くの先生にお伝えできるのは、僕のような実践研究を進める院生にとって大変ありがたい機会です
 
 
発表した内容をかいつまむとだいたい以下のようになります。
 
評価練習とは、教員が用意したサンプルレポートを、学生が評価基準を使って評価者の立場を経験した後に教員が正しい評価を解説する学習活動。
 
ピアレビューとは、レポートの草稿を持参して他の学生と評価しあう学習活動。事前に行った自己評価と比較して話し合う「協議ワーク」を取り入れています。
→論文にもなっています 開発:岩田・田口(2020) 効果検証:岩田(2020)
 
論文では紙幅の関係で掲載できなかった受講生の感想を、この「研究会」では紹介することができました。
 
・自分のレポート、他の人のレポートについて意見を言い合うことで新たな視点が発見できて面白かったです。
・ピアの評価をすることで、自分のレポートに足りていなかった部分に気づくことができた。また自分では説明できたつもりでも指摘されると理論に穴があることに気づき非常に意味のある活動だった。
・楽しかったです!他の人から見ると、ああ、こう見えるんだ!と思った。今日のワークを通じて改善点がわかってきたので、期日までに構想を練り直したい。
 
ほとんどがポジティブな感想で、「協議ワークを取り入れたピアレビューは実施する価値のある学習活動だな」という想いを強くしています。
 
中には、
 
・評価基準を理解していなくて、評価がむずかしかった。
 
という感想もあり、事前に行う評価練習のやり方をさらに工夫する必要があることが伺えます。
 
 
また、オンラインでの実施についても時間の許す限り報告しました(柴田先生に話していただきました)。
 
新型コロナ対策で、「社会学」の授業も2020年度は前期・後期ともにLMSやZoomで実施しています。
僕としても対面で実施することを前提に研究計画を立てていましたので、計画の変更を余儀なくされました。
 
とはいえ、オンラインで評価練習や「協議ワークを取り入れたピアレビュー」を効果的に実施できるか・・・? というのは、研究上も重要なところですので、今年度はそれもテーマの1つとして研究を進めています。
それを踏まえ、今回の「教養教育実践研究会」でも、オンラインでの評価練習・ピアレビューについても発表しました。
 
より詳しい分析結果は、論文にもまとめました(現在投稿中・査読結果待ち)。
論文が掲載されたらまたご報告したいと思います。
 
 
京大では後期もほとんどの授業がオンラインです。大変ではあるものの、受講者側とTA側の両方の立場からオンライン授業について探究できるのは大学院生の今だからこそですね。
後期も楽しむ心を忘れずに頑張っていきます。